
ゴールデンレトリーバーのブリーダーとして
よい台牝を作る
ブリーディングで一番重要な事は良い台牝と良い種雄と言うことなんだが、それについては個人の考え方がそれぞれ違う。
では遺伝子が実際にどのように受け継がれてしまうのか、ここに重点を置いてみる
まずは、X染色体の役割とはを考慮してみる(以下の文章はパット・トロッター著)
☆X染色体の役割
あなたの牝犬のための種雄の選び方を理解する事には、そのブリーディングの全体像にX染色体がどのような役割をするのかと言うことを理解する事も含まれています。
犬には39対の染色体があり、そのうちの一対は、性別を決定する染色体です。
牝は二つのX染色体を細胞内に持ち、牡はX染色体とY染色体を持っています。
牡の精子が作られる際減数分裂が行なわれ、一つの精子はX染色体を、もう一つはY染色体を持ちます。
牝の減数分裂ではどちらの卵子もX染色体をもちます。そして精子と卵子が受精する際、XかYかどちらの染色体を持った精子と受精するかで性別が決まるのです。もし、X染色体を持つ精子が卵子と結合するならXXとなり牝になります。もしY染色体を持つ精子が結合するならXYとなり牡になります。
人間の場合、X染色体と関係した形質は50以上知られています。
X染色体はY染色体よりかなり長いので、ほとんどの遺伝情報はX染色体上にあります。
サラブレッドの繁殖者はX染色体は性格と心臓の強さに影響を与えると言います。
X染色体は特に遺伝性疾患に関する多くの遺伝的情報のキャリアーではないかと考えられています。
病気の情報を持った(あるいは突然変異した)悪いX染色体は、牝の場合はもう一つのX染色体に異常が無ければ、その健康なX染色体が悪い形質をマスクしてしまう事があります。
つまり、悪い遺伝子を持っていても見かけは健全と言うことです。
もし両方のX染色体が異常であれば、その牝はその病気を持っているでしょう。
それゆえ牝の方が 牡より多く子宮内で死亡するといわれています。
なぜなら両方のX染色体にいじょうがあるゆえの致死的な遺伝子を持ってしまう危険が2倍だからです。
牡はX染色体を一つしか持っていませんから、もし異常なX染色体をもっても、それをマスクしてくれる健康なX染色体は無いという事です。それゆえその病気は発現します。
昔からの遺伝学の教科書は、その事に関して、なぜ色盲でない母親から色盲の息子が生まれるのかを説明しています。色盲の男性の息子は異常のあるX染色体を受け継がないでしょう、しかし娘は受け継ぎます。そしてその娘はその息子に異常のあるX染色体を受け継がせます。
こうしてずっとジグザグパターン(隔世遺伝)で受け継がれていくのです。
一つのX染色体は、つまり父犬から与えられるX染色体は、その母犬から受け継がれたものです。それゆえに、血統というのは、良い台牝から生まれた種牡のみを使って作られた優れた台牝を追跡していくことによって組み立てられるかもしれません。
つまりこれが優れた子出しの台牝のラインの作り方なのです。
すべての牝の仔犬は、父親がその母親から与えられたX遺伝子とおなじX遺伝子を父親から受け継ぎます。それしか持っていないのですから!
母親が仔犬に与えるX遺伝子は母親の母親から受け継いだものか、あるいは母親の父親の母親から受け継いだものです。
この情報を用いてブリーダーは各世代において、究極の優れた台牝を作り出すという希望を持って、台牝のラインを強化していく事が出来るかもしれません。
このようなプライニングによって、そのブリーダーが幸運にもしっかりとした家系と母系を持つ基礎犬からブリーディングを始めても、世代を重ねるごとに優れた遺伝子プールが薄まっていくような事を防げるでしょう。さらに言えば、もしそのブリーダーの基礎犬が期待していたレベルのものではなかったとしても、このようなブリーディングを行なえば、短時間に改良する助けとなるでしょう。
2007 長久保秀子

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